関西を中心に活動するOh No Darkness!!が近々ニューアルバムを出す。そんな予感がする。
予感と言っても一切根拠がない訳ではない。
筆者が日々、目を通している彼らのTwitter上でも、着々とレコーディングが進んでいる様子は伺える。
おそらく年末頃にはアルバムかEPは確実にリリースされるはずだ。
というか待ち焦がれているのでそうあって欲しい(OND!!)
それに先立ってかは定かではないが、今年の5月にはシングル”フレア”がMVと共にリリースされているので、日々彼らへの期待感は高まるばかりなのである。
今回は、次にリリースされる新譜に備えて、まだOh No Darkness!!を知らない人達にもその魅力を余すことなく書き連ねる前編記事の様な立ち位置で書いているので是非最後まで読んで欲しい。
後編記事が出るかどうかは彼らに懸かっています(OND!!)
Oh No Darkness!! について
Oh No Darkness!!(読み:オーノーダークネス!!)は、大阪を中心に精力的に活動しているオルタナティブバンドである。
現在のメンバーはBa.Vo.ちさと嬢とGt.のクボ氏、ゾエ氏を正規メンバーとしサポートドラムを迎えてライブを行なっている。
そもそもOh No Darkness !!ってバンド名普通は思いつかないでしょ。めっちゃクール。
だが、クールなのはもちろん名前だけではない。彼らの楽曲も含めてだ。
彼らの音楽性は一言で言うならば非常にヘヴィかつキャッチーなオルタナティブポップだ。
初期の代表曲”A-90”を聴けば、その意味が伝わると思う。
エレクトロシーケンスと共にかき鳴らされる轟音ギターと重たいビートで始まる楽曲には、『HIGHVISION』期のスーパーカーを思わせつつも、The Smashing Pumpkinsの様に歪んで重たい音像となっている。これだけだと真っ直ぐなオルタナティブロックになるのだが、Oh No Darkness!!には忘れてはならない大事なキーパーソンがいる。それがベースボーカルを務めるちさと嬢の存在だ(OND!!)
このバンドの顔と言っても良い彼女の歌声は、あどけない少女の様に透き通っており、シューゲイザーやオルタナに寄ってしまう彼らのヘヴィな音楽性にポップスのキャラクターを加えて絶妙にマッチしている。
”A-90”では彼女の歌にリバーヴ感を強めることでドリームポップの風合いを作り出しつつも、土台となる重厚な音像と綺麗に混じり合い、彼らにしか生み出せない楽曲に仕上げている。
このどっしりとした音像と、透明感のあるちさと嬢の歌声やキャッチーなメロディの対比こそがOh No Darkness!!の最大の魅力だ。
筆者個人としては、彼らの”CAST”という曲もその音楽性が良くアウトプットされていると思う。
ヘヴィメタルなギターとThe Smashing Pumpkinsの”Quiet”の様な重いビートを経て、サビではKornの”Freak On a Leash”を彷彿とさせるコード感とちさと嬢の歌が大きく広がる。
インディーズシーンでもここまで綺麗にそれぞれのキャラクターを活かしたバンドは少ないのではないだろうか。
この2つの音楽性を持っていること自体が稀有だが、常にそれぞれの特色の割合を増やすことで、彼ら自身のやりたいポップス方面や、オルタナ方面へと柔軟に行き来できるのも強みなのだろう。
彼らの代表曲”火星年代記”や、最新シングルの”フレア”でもその真価が存分に発揮されている。
特に最新楽曲の”フレア”は一聴すると、これまでよりもパッキリとした印象で、ポップスを押し出している様にも見えるが、筆者にはわかる。
彼らはこのポップさの中にここぞとばかりに自分たちのやりたいことを詰め込んでいると。
まずこのキャッチーなギターリフや、爽やかなメロディには、以前全国流通盤のEP『Oh No Darkness!!』リリース時にもSkream!!のインタビューで語っていた日本のオルタナポップの代表格スーパーカーや、その系譜のBase Ball Bearを彷彿とさせる。加えて、そのリフを弾いているギターサウンドに関してもやはりKornの”You’ll Never Find me”を彷彿とさせる中々に際立った音作りをしている。
あえてドギヅくエフェクトをかけることで曲の妖艶な雰囲気を更に増しているのも良い。
彼らは本当にその界隈の尖った音が好きなんだろう。
個人的な性癖としてサビの歌メロも前半でシンコペーションなのに後半で拍の頭に変わって一気に前に突っ込むところも刺さる。あと、ちさと嬢の赤いメッシュも筆者には刺さる(OND!!)
あとがき
余談だが彼らは、このコロナ禍でもライブ活動を活発化させており、それもまたとても良い。
筆者は、過去に京都の河原町にあるVOXhallという今は無きライブハウスで彼らを見たことがあるのだが、
ライブでの彼らは音源よりも更に重たく揺れる様な音圧を出す。
ギターの音作りも、その時見た時点では確かKemperを使っていたもんだから中々に目を丸くしたのだが、最近の現場ではクボ氏のアンプがメサブギーになっていたので重厚な音への飽く無き探究心が見て取れる。
あんまりポップス系バンドでメサのアンプ使う人いないでしょ。(良いぞもっとやれ)
持ち前の2面性を余すことなく活かしながらその音楽性にも色濃くアウトプットする彼らへの私の期待が今回の記事で少しでも伝わったら嬉しい。
Oh No Darkness!! 新譜待ってます。